お気楽天体観測

肩ひじ張らずに天文を楽しむ記録です。メイン機材はSpaceCat51、CelestronC5、SkyMemoS、CRUX140Traveler、AZ-GTi。カメラはPentaxKP、K70とZWOASI533MCP

20220212 Crux140TravelerのRAジャンプ問題との闘い(1) ~M66~

Crux140TravelerのRAジャンプ問題ですが、波動歯車装置のリコールということで部品交換が行われたのですが、帰ってきてもやっぱりRAジャンプ問題は再発していました。

発生する場合と発生しない場合があり、何なんだろうなーと思いつつ、まだ修理に出すのも面倒なのでごまかしながら使っていましたが、おおよそウェートレスで東側の空を撮影している場合に発生しているようでした。

最近久しぶりにFaceBookのCruxのコミュニティを覗いたところ、RAジャンプ問題が再発する場合は、ウェートを付けるか、軽い鏡筒にする、ということが書かれていました。

カタログスペックでは7kgまではウェートレスで行ける、って書いてあるんだから、せめて5kgくらいまでの機材であれば、ウェートレス運用行けてほしいです!
※小生のメイン機材セットSpaceCat51+ASI533MCP+QHYCCDガイドスコープセットは大体4kg弱

ウェートレス運用したかったのに、許容重量以下の機材でウェートを付けるのはほんと嫌だったんですが、FBのコミュニティに書かれていたことの真偽が気になったので、ウェートを付けて試してみました。

春の銀河祭りが始まるということで、Crux140Travelerが安定していたら銀河向けに導入する予定だったC5を乗せてチャレンジです!

まずはウェート無しでRAジャンプ問題を再現

こちらの機材で、まずはウェート無しでRAジャンプ問題が発生するかの再現試験です。

  • 【機材情報】
  • 望遠鏡:CelestronC5(D=125mm、f1250mm/F10)+F6.3Reducer
  • フィルタ:サイトロンIR640Proフィルタ
  • カメラ:ZWO ASI294MC(4/3)
  • 赤道儀:Crux140Traveler
  • 導入方法:Stellariumで自動導入⇒SharpCapでPlateSolbing
  • オートガイド:ガイドカメラ:QHY5L-II M、PHD2でオートガイド

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すると、ぶっちゃけてすぐに問題は再現しましたw
もう、ドリフトアラインメントを使用しているときにすでに発生です。


※はてなブログのアニメGIFを貼りたかったのですが、貼れなかったのでTwitterのリンクを参照ください。

ウェートを付けてチャレンジ

というわけで、ウェートを付けてチャレンジです。

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この状態だと、先ほどまで極軸のドリフトアラインメントの時点で発生していたRAジャンプ問題は、とりあえず発生しませんでした。

そして、春の銀河祭りということで、M66を狙ってみました。
1時間くらい様子を見たときに撮れたものがこちらです。

ちょっとピントがずれたかなーというような画像ですが、さすがはC5、これまでで一番大きくC66が写っている気がします。
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この時のPHD2のガイドログはこちらです。
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大体の時間は安定しているのですが、途中大ブレしているところがありますね。。。
放置していてしまったので、この時の動きは撮れていませんが、おそらくRAジャンプ問題が発生していたのではと推測しています。
一方、ウェートを付ける前は、最初の時点でRAジャンプが発生していてしまっていたため、その状況よりは軽減されている、といえるかもしれません。

なんとなく、架台のスペック的に納得がいくかといわれると、納得いかない気もしますが。。。

C5のReducerを外してチャレンジ

実は、C5のreducer付きの状態だと、想像よりもM66の写りが小さかったので、Reducerを外して、撮影できるのか試してみました。

時間帯的に、M66は西に傾いてしまったので、RAジャンプ問題的には条件は良くなってしまいましたが、良い条件下でガイド含めて焦点距離1250mmの撮影ができるか、というところがチャレンジポイントになるかと。
オートガイド有で、これまでで最も長い焦点距離になります。

結果はこちらです。
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画角が180度回転しているのは、メディアンフリップ下からです。
アンプグローも盛大に出ていますが、Reducerを外したことで、拡大されいます。

Reducer有り無し比較

C5のReducerの有り無しで比較すると、下のキャプチャの通り

  • C5+Reducer : 0.674 deg
  • C5 のみ    : 0.547 deg

ということで、確かに画角も狭くなっている=拡大されているということがわかりました。
※並べると、大きく写っていることも視覚的にわかりますねw
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その他事前にやったこと

  • ASCOMの最新化

最近ASCOMが安定しない気がしたので、ASCOMのサイトに行ったらVer6.6が最新で、自分のローカルのものは6.4だったので、最新バージョンにアップデートしました。
そしたら、なんとなく安定した気がしましたw

  • CruxのコントローラとのWIFI接続

撮影用のGPD Pocketに無線LANのUSBトングルを追加して、ビルトインは家のWIFI、追加したものはCruxのコントローラTITANTCSのAPに接続するようにしました。
実は、最近MGEN3を使っていないのです。ケーブル地獄になるため。
コントローラとWIFI接続にしたことで、PCと物理的にケーブルが伸びるのが、カメラ向けの1本となり、ケーブルとしてはかなりすっきりしました。

接続図はこちらになります。
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カメラ類の接続は、C5のピギーバックマウントの下にUSBハブを出して2つまとめていて、PCへは1本になっています。
また、赤道儀から伸びているケーブルはコントローラに接続され、そこから電源ケーブルに接続されるのみで、コントローラ⇔PCはWIFIにしたので、劇的にケーブルが減らせて、快適になっています。

接続するケーブルが少なくなったことにより、設置の時間が短くなり、よりお手軽に観望を始められるようになったのでは、と思っています。

本論のRAジャンプ問題と戦った結果

RAジャンプ問題はなくなっていないですが、C5でReducer無しでもオートガイドして銀河を写すことができたことは収穫でした。
ウェートレスマウント、ということが良くてこのマウントを購入したのに、ウェートを付けて運用することはかなり心苦しいですが、もう少し様子を見てみようと思います。