お気楽天体観測

肩ひじ張らずに天文を楽しむ記録です。メイン機材はSpaceCat51、CelestronC5、SkyMemoS、CRUX140Traveler、AZ-GTi。カメラはPentaxKP、K70とZWOASI533MCP

スマホ用ペルチェクーラーでASI294MCを冷やしてみる

HIROPONさんのTweetでおもしろいアイテムを知りましたので、価格も2.5英世でしたし、お遊びで買ってみました。

ここ1か月くらい天気の問題でベランダ天体観望が全くできていなくて、ポチリヌス菌に感染して大物をゲットしてしまいそうな空気感を感じていたので、落ち着くためにも。。。

さて、まず開封したところですが、結構いい感じでパッケージングされていました。
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とりあえず、手元で簡単にはずせたASI224MCに載せてみたところ、わかってはいましたがやはり隙間が空いてしまいます。
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そのまま挟み込めたら楽だったかもしれませんが、まあ爪で挟んだだけだど隙間が空きそうなので、まあ良しとします。

試しに電源を入れてみた絵です。
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あ、明るすぎる、、、

これは明るすぎますねー
自作PCのクーラーを思わせる派手さです。そして、別に対してかっこいいわけでもないw
もうさっそく分解して、ファンの部分のLEDは取り去りたい気分になりましたが、気持ちを静めて、久々の実験です。

実験:こいつでASI294MCを冷やしたときに、有意な差は生まれるのか?

こいつで冷やしてノイズが減るのかを見てみたいので、ダークを取り比べてみました。

共通条件

  • カメラ:ASI294MC
  • 撮影設定:Gain150、露出:128s

撮影方法

  • まず、冷やす前に上述の条件で10枚撮影 ⇒ ①noncooled画像
  • 次に、ペルチェクーラーをマスキングテープで固定し、20分放置
  • その後、上述の条件で10枚撮影 ⇒ ②cooled画像

2つの条件で撮影した画像をそれぞれDSSでstackし、SI9で表示し比較。

比較の際は、あぷらなーとさんみたいに数学的に評価出来たら面白いんでしょうけど、そんな技はもっていないので、目視で比較です!

ASI294MC with ペルチェクーラー

絵的にはこんな感じです。マスキングテープでぺたぺたしました。まあ、実験だからよし!
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このペルチェクーラーの数字部分は、おそらく

  • 起動したときは現在の温度を表示
  • プラス/マイナスのボタンで温度設定⇒この時は設定温度が表示される⇒しばらくすると現在温度に表示が戻る

という仕様のようです。
おそらく、というのは、説明書に一切書いていないからですw

起動直後は温度が安定しないのですが、おそらく20℃くらいから冷やし始まったようです。
※この機材以外、体温計しか温度を測定できる機材を持っていないため、室温すら不明。室温はおそらく25℃くらいだと思います。

冷やし始めて1分後くらいの状況はこちら。15℃まで冷えました。
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このままじりじり冷えていきそうでしたので、20分ほど放置したら、9℃まで落ちました。
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この状態でGain150、露出128sで10枚撮影し、スタックしました。
ちなみに、写真は撮っていませんが、撮影終了時の温度は8℃でした。

冷却有無で結果比較

先の記述と重複しますが、冷やす前10枚、冷やした後10枚をそれぞれスタックし、SI9で横に並べて300倍で表示したものがこちらです。
上が冷やす前、下が冷やした後です。強調処理は特にしていません。

なんと、冷やしたほうがノイズが減っている?
というか、よく見ると同じところにドットは出ているが、弱くなっている?

条件は冷却しているかどうかなので、いちよう冷却の効果は確認できた、ということになるかなと思います。

※実際撮影で使ってみないと何とも、正直違いが出るかはよくわかりません。

ASI294MC with ペルチェクーラーの注意点①結露

撮影が完了した後、画像処理をしたり比較したりしているときに、クーラーをつけっぱなしにしてしまっていたところ、クーラーの周り、および赤缶の外環にガッツリ結露が生じました

HIROPONさんのTweetでは、「クリップ部分を工夫すれば、非冷却CMOSカメラのお手軽冷却にも使えそう?温度低下がマイルドなのも、結露の危険性を考えればいいかも。」とのことでしたが、この点は注意が必要です。

マジか、と思ってセンサー面を確認したのですが、センサー面の結露はありませんでした。

まあ、センサーを直接冷やしているわけではないので、冷却効果はいまいちなんでしょうけど、今回の条件では、外側はかなり結露したのですが(電気系統的に危ない気がするくらい)、センサー面は大丈夫でした。

ただ、うまく使えば(例えば、外側から扇風機で風を吹き付け続ける、とか)結露は防げたりするかもしれません。

ASI294MC with ペルチェクーラーの注意点②ファンの振動

今回はDark撮影のため、振動は影響しませんでしたが、ペルチェクーラーのファンの振動が撮影に影響しないかどうかは今回検証できていません。
このペルチェクーラーのファン音は、ASI533MCPのファン音よりも大きい印象だったため、もしかすると撮影に影響するかもしれないです。
これはどこかで追加で検証してみたいと思います。時間が取れれば。
※よく考えたら、この憲章は星を対象とせずとも、地上の対象でも検証できそうな気がするので、気軽にできるかも。

ASI294MC with ペルチェクーラーの注意点③そもそもどうやって固定するか?

今回はテーブルにASI294MCを下向きにおいて、その上に載せてマスキングテープで固定しましたが、撮影となるとマスキングテープでの固定では心許ない(というか、確実にずれる)ので、別なもっといい固定方法を考える必要があります。
まあ、ちょうどよい厚さのゴム版とかを切って間に挟めばよさそうな気もしていますが、手元にちょうど良い素材がないため、代用品を何か探したいですね。

その他 ペルチェクーラーのLEDライトがマジで邪魔

このLEDライトを見たときに、長野県のラブホがサーチライトを照らして社会問題になり、署名活動の結果規制された、って事案を思い出しました。
それくらい、このLEDライトは星屋さんには邪魔なんじゃないかと思いました。
なので、一通り実験が終わって、時間を取れたら(or意欲がわいたら)LEDライトを無効化する改造をしてみても良いかなーと思っています。

ペルチェクーラーの電池の消耗度合

正確に測ったわけではないですが、ANKAR PowerCore10000を満タンに充電し、2時間くらい冷やし続けて、メモリが4/4⇒3/4にへった、というくらいの消費量でした。

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なので、仮に撮影に使うとしても、こちらのバッテリーで概ね一晩(8時間)は持ちそうな感じです。

雑感

2.5英世という安さゆえ、衝動買いしてしまいましたが、なんか2500分はもう楽しんだ気がしています。
ただ、これを固定するための資材とか、結露対策とか始めると出費がかさみ始め、トータル価格がASI294MCPをこえるのでは?と危惧しています。
※約4諭吉の価格差があるため、簡単には超えないですが、塵みたいな出費も積み重なると。。。

なので、この実験は継続するにしても出費がかさまない、家にすでにある資材を活用しながら進めたいなーと思いました。